KATO Yukitaka Laboratory 加藤之貴研究室
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研究活動
熱再生水素循環型燃料電池システム
はじめに: 
外部からの水素燃料供給を必要とせず、熱のみの供給により駆動する燃料電池発電システムである。発電により消費された水素は熱により再生され、水素は閉サイクルで連続的に利用される。このため二酸化炭素等の排出物を発生することなく駆動する。利用熱源温度は約200℃〜300℃であり、コジェネレーションで用いられるガス/ディーゼルエンジン、マイクロガスタービン、従来型燃料電池等の排熱が利用候補である。基本的に機械的な駆動部が不要であるため、簡素メインテナンス、静粛、簡易な構造の発電システムが形成できる。発電規模は工場、オフィスビル、ホテル、病院程度である。
原理: 
用いる反応系は以下の通りである。
C6H6 + 3H2 = C6H12, ΔH=−207kJ/mol-benzene  (1)
(ベンゼン+3水素=シクロヘキサン、benzene + 3 hydrogen = cyclo-hexane)
右方向がベンゼン水素化発熱反応、逆方向がシクロヘキサン脱水素吸熱反応である。
この反応はおよそ100℃から300℃で大気圧力前後で可逆的に進行する。
提案するベンゼン/水素系再生型燃料電池の原理を図1に示す。装置は大きく次の3要素から構成される、すなわちシクロヘキサン脱水素反応器、水素分離器、燃料電池である。脱水素反応器から本機の仕組みを説明する。高濃度シクロヘキサン流体を脱水素触媒反応器に流通させると、器内の触媒によりシクロヘキサンは吸熱分解され(式(1)左方向)、ベンゼン、水素が生成する。
C6H12 = C6H6 + 3H2  (2)
生成した高濃度ベンゼン、水素流体を水素分離器にて水素とベンゼンに分離する。各々のガスを燃料電池に導く、水素はアノード側(通常の燃料電池の燃料極側)にベンゼンはカソード側(同空気極側)に流す。アノード触媒表面上で水素は電離する。
H2 = 2H+ + 2e-  (3)
電子e-は外部回路を流れ電力が発生する。一方、水素イオンH+(プロトン)は電解質内を移動しカソード極に達する。カソード極ではプロトンと電子及びベンゼンが結合し、ベンゼン水素化反応が進行しシクロヘキサンが生成する。
C6H6 + 6H+ + 6e- = C6H12  (4)
生成した高濃度シクロヘキサン流体は再度脱水素反応器に導かれ再びベンゼンと水素に分解される。次いで、これらの生成物を循環し燃料電池で再度発電を行う。以上より、熱のみによる燃料再生型の燃料電池が形成可能である。
従来の燃料電池では連続的に新たな水素を電池に供給する必要があり、生成した水は大気中に放出される。本提案では酸素の代わりにベンゼンを用いる点が新しい。生成するシクロヘキサンは加熱により再度ベンゼンと水素に分解する。再生成したベンゼンと水素を燃料電池に供給することで、新たな燃料を供給することなく連続的に発電が可能となる。物質的に閉サイクルで熱のみで駆動する点が新しい。
図1 熱駆動型燃料電池の原理図
参考文献: 
・ 燃料電池発電システム、出願番号 2001-3010、出願日2001年1月10日
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